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多汗症の保険診療
for hyperhidrosis

わき汗(腋窩多汗症)

腋窩多汗症は、ほかの疾患にともなって起こることもありますが、ここでは、原発性のもの(ほかの疾患がないもの)だけをご説明します。
精神的発汗(どきどきして汗が出る)と温熱性発汗(暑くて汗が出る)が共存します。シャツの汗じみなどで、精神的な苦痛を受けます。
治療としては、塩化アルミニウム水が有効ですが、保険による処方薬ではなく、院内製剤となり自費診療です。塩化アルミニウム水でかぶれることがあるので、注意しながら使用します。夜に塗って、朝洗い流すことをお勧めしています。R2年11月、ソフピロニウム臭化物という塗り薬が、新たに保険適応の治療として認可されました。かぶれることが少なく、洗い流す必要がないため、どの時間帯に塗ってもいいのがメリットです。さらに、R4年5月、グリコピロニウムトシル酸塩水和物というシート状の塗り薬も使えるようになり、選択肢がひろがりました。
なお、重症の腋窩多汗症に対しては、A型ボツリヌス毒素製剤の注射治療が保険適応となっています。A型ボツリヌス毒素製剤を注射することで、わき汗の分泌を促す信号をブロックします。一度注射すると、4~9か月効果が持続します。保険適応とはいえ、A型ボツリヌス毒素製剤は大変高価な薬剤です。まずは院長にご相談ください。


手汗・足汗(掌蹠多汗症)

手汗、足汗は、体温が上がったときだけでなく、緊張したときなど、精神的な負荷がかかったときに多くなります。テストのとき用紙がシナシナになる、シャーペンがすべる、ゲーム機が壊れてしまう、人と握手ができない、などの症状で困っていませんか。さらに重度の手汗、足汗の方では、したたり落ちるほどの汗のせいで常に手足が湿った状態になり、指先が冷たくなってしまいます。手足の皮膚がふやけて、皮が剥けてしまうこともあります。精神的な苦痛から、不安症や対人恐怖症になってしまうこともあります。
治療としては、塩化アルミニウム水が有効ですが、保険による処方薬ではなく、院内製剤となり自費診療です。わきで使用する場合より効きにくいので、手汗、足汗では、少し濃度の高い塩化アルミニウム水もご用意しています。R5年6月、ついに、手汗に対して保険適応の治療が登場しました。オキシブチニンというお薬です。手汗に対するお薬なので、足への使用は認められていません。また、発売から1年は2週間ずつの処方になります。
塩化アルミニウム水やオキシブチニン外用でも効果不十分の場合は、水道水イオントフォレーシスという方法があり、保険適応で、かつ日本皮膚科学会の定めるガイドラインでは推奨度Bと高い治療法ですが(※推奨度Aに認定されている治療法はなく、実質一番お勧めの治療法ということになります。)、導入している施設が少ないのが実状です。水道水イオントフォレーシスは、手足を水道水に浸し、そこに弱い電流を流す治療法です。通電する際に生じる水素イオンが、汗腺を障害して発汗を抑制すると考えられています。初めのうちは、週に2回、効果が出てきたら1~2週間に1回の通院を継続し、だいたい3か月くらい続けることが多いです。



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